ビーナスでは、サービス力向上のため、「成果に対して根拠ある仮説を立て検証すること」を大切に、ノウハウの蓄積とブラッシュアップを続けています。
児童発達支援・放課後等デイサービス『ビーナスキッズ』では、支援内容を統一するのではなく、児童やご家族さまに「どうなりたいのか」をお聞きした上で、それを達成するためにどんな支援が必要か、スタッフで相談し、療育の方向性を決定します。
発達障害はおなじ特性であっても、児童によってこだわり行動や感覚に大きな違いがあり、その子に合わせた支援が必要不可欠だからです。
今回の事例でご紹介する児童は、「自分の中のルールを守りたい」「他の人にもルールを守ってほしい」というこだわりが非常に強く、思い通りにならないと、つい衝動的に手が出てしまうことがありました。
ご家族さまからは、「学校で先生の話を聞けるようになってほしい」「言葉より先に手が出てしまうのをなんとかしてほしい」とのご希望があり、サポートを開始しました。
ビーナスキッズにおける、ADHDの児童への対応方法をご紹介します。
▼ADHDの対応方法 褒められることでドーパミンを出し、増やしたい行動を強化する 減らしたい行動は注意するのではなく、無視(反応しない)し、 望ましい行動に変わった時に褒める 棄権を及ぼす行為は絶対に止める |
ご家族さまのご希望である「自分の気持ちを言葉で伝える」という目標のため、
1.正しい行動を強化する
2.場に合った言葉を知る
3.言葉で伝える成功体験を重ねる
という点に注力しました。
▼指導例 |
正しい行動を強化するための「褒めるタイミング」にも気をつけました。
手を出さずに言葉で伝えようとしたとき、自分の気持ちを言葉にできたときはもちろんのこと、やろうとしたときのちょっとした動きにも「今やろうとしたね!」と褒めるようにしました。
さらに、仮に言い合いなどをしていた場合にも、大人の主観で判断せず、客観的に判断できるよう
「何を伝えたかったの?」と児童の気持ちを丁寧に確認するようにしました。
利用を開始して3年が経過する現在においては、集団活動への参加はもちろん、授業のルールをしっかり守り、約50分机に座って学習することができるようになりました。