【成果事例】ADHDの児童が自分の気持ちを正しく伝えることができるようになるまでに


目次

  1. 自分の思いを言葉で伝えれるようになるために
  2. 具体的な取り組み


ビーナスでは、サービス力向上のため、「成果に対して根拠ある仮説を立て検証すること」を大切に、ノウハウの蓄積とブラッシュアップを続けています。

1.自分の思いを言葉で伝えられるようになるために

児童発達支援・放課後等デイサービス『ビーナスキッズ』では、支援内容を統一するのではなく、児童やご家族さまにどうなりたいのかをお聞きした上で、それを達成するためにどんな支援が必要か、スタッフで相談し、療育の方向性を決定します。

発達障害はおなじ特性であっても、児童によってこだわり行動や感覚に大きな違いがあり、その子に合わせた支援が必要不可欠だからです。

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今回の事例でご紹介する児童は、「自分の中のルールを守りたい」「他の人にもルールを守ってほしい」というこだわりが非常に強く、思い通りにならないと、つい衝動的に手が出てしまうことがありました。

ご家族さまからは、「学校で先生の話を聞けるようになってほしい」「言葉より先に手が出てしまうのをなんとかしてほしい」とのご希望があり、サポートを開始しました。

2.具体的な取り組み

ビーナスキッズにおける、ADHDの児童への対応方法をご紹介します。

▼ADHDの対応方法
褒められることでドーパミンを出し、増やしたい行動を強化する
減らしたい行動は注意するのではなく、無視(反応しない)し、
望ましい行動に変わった時に褒める

棄権を及ぼす行為は絶対に止める

ご家族さまのご希望である「自分の気持ちを言葉で伝える」という目標のため、
1.正しい行動を強化する
2.場に合った言葉を知る
3.言葉で伝える成功体験を重ねる
という点に注力しました。

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▼指導例
Q 「一緒に遊ぼう!」と言われた
✖ 「無理!」
⇒ 「『今は一人で遊びたい』と言ったら分かってもらえるよ。」と教える
  場に合った言葉を知る
Q 他の子が使っているおもちゃが欲しい時
✖ 何も言わず取る
⇒ 「『貸して』と言ってごらん」と教え、ちゃんと言えたらおもちゃを使える
  言葉で伝える成功体験

正しい行動を強化するための「褒めるタイミング」にも気をつけました。

手を出さずに言葉で伝えようとしたとき、自分の気持ちを言葉にできたときはもちろんのこと、やろうとしたときのちょっとした動きにも「今やろうとしたね!」と褒めるようにしました。
さらに、仮に言い合いなどをしていた場合にも、大人の主観で判断せず、客観的に判断できるよう
「何を伝えたかったの?」と児童の気持ちを丁寧に確認するようにしました。

気持ちを言葉で伝える以上に成長

利用を開始して3年が経過する現在においては、集団活動への参加はもちろん、授業のルールをしっかり守り、約50分机に座って学習することができるようになりました。

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